PEDroでエビデンス検索【理学療法研究】

ツール・ガジェット

Introduction

PEDroってエビデンス検索ツールとして紹介されているけど、どうやって使ったらいいの?

そんな疑問に答えます。
この記事を読むと
PEDroとは
PEDroの使い方
がわかります。
PEDroって理学療法学会に参加すると、エビデンスの検索ツールとして勧められますよね。
でもまだ使った事がない人が多いと思います。そこで今回はPEDroの使い方についてまとめてみました。

PEDroとは

PEDroはオーストラリアのCEBP(The Centre for Evidence-Based Physiotherapy)が運営する文献データベースです。
検索できるデータは理学療法に関する48,000件以上の、
・ランダム化比較試験
・システマティックレビュー
・診療ガイドライン
になります。
PEDroの特徴は、単なる文献検索ツールではなく、各文献がPEDro scaleと呼ばれるチェックリストによって10点満点に点数づけされている事です(システマティックレビューと診療ガイドラインは除く)。
PEDro scaleは検索者が有効なエビデンスにアクセスしやすいように、検索結果の横に表示さています。
ちなみにこのPEDro scaleは構成概念妥当性・収束的妥当性があると報告されています。

僕もこのPEDro scaleで並び替えて参考にする文献をある程度決めています。しかし、自分の臨床疑問にマッチしたものであれば、PEDro scaleの数値に関係なく読むようにしています。ありがたい指標ではあるけれど、あくまで参考値といった感じです。

PEDroの使い方

PEDroのホームページにアクセスします。
検索をクリックすると、検索ページに飛びます。
ここまでは日本語なのですが次から英語ページになります。
キーワードを入力するだけのNew Search (Simple)と詳細検索ができるNew Search (Advanced)があります。

New Search (Simple)

こちらは調べたいキーワードを入力して、Searchボタンを押すだけです。とっても簡単。

New Search (Advanced)

New Search (Advanced)はSimple Searchに比べて入力できる項目が多くなっています。
その最大の特徴は、治療アプローチ、問題点、身体部位、専門分野で絞り込みが行えるところです。通常の検索ツールであれば、タイトル、著者名、雑誌名などで絞り込みになりますが、理学療法のエビデンスに特化したツールって感じですよね。

 Abstract and title(要旨・タイトル)

この部分には調べたいキーワードを入力します。

Therapy(治療アプローチ):プルダウンから選択

検索したいアプローチ方法を選択します。なければ空欄でも問題ありません。
acupuncture:鍼治療
behavior modification:行動変容
education:患者教育
electrotherapies, heat, cold :電気治療、温熱寒冷療法
fitness training:フィットネストレーニング
health promotion:健康増進アプローチ
hydrotherapy. balneotherapy ;水治療法、温泉療法
neurodevelopmental therapy, neurofacilitation:神経発達的治療、神経促通法
orthoses, taping, splinting:装具、テーピング、スプリント
respiratory therapy :呼吸療法
skill training:巧緻性トレーニング
strength training:筋力強化トレーニング
stretching, mobilisation, manipulation, massage:ストレッチング、モビライゼーション、徒手療法、マッサージ
no appropriate value in this field:該当項目なし

Problems(問題点):プルダウンから選択

検索したい問題点を選択します。こちらもなければ空欄でも問題ありません。
difficulty with sputum clearance:排痰困難
frailty :虚弱性
impaired ventilation :換気障害
incontinence :失禁
motor incoordination :運動失調
muscle shortening, reduced joint compliance :筋短縮、関節機能低下
muscle weakness :筋力弱化
oedema :浮腫
pain : 疼痛
reduced exercise tolerance :運動耐用性低下
reduced work tolerance :労働耐久性低下
skin lesion, wound, burn :皮膚病変、創傷、熱傷
no appropriate value in this field :この枠に妥当な項目はなし

Body Part(身体部位):プルダウンから選択

検索したい身体部位を選択します。こちらも空欄でもOK。
head or neck :頭部、頚部
upper arm, shoulder or shoulder girdle :上腕部、肩部、肩甲帯部
forearm or elbow :前腕部、肘部
hand or wrist :手部、手関節部
chest :胸郭部
thoracic spine :胸椎部
lumbar spine, sarco-iliac joint or pelvis :腰椎部、仙腸関節部、骨盤部
perineum or genito-urinary system :会陰部、生殖器・尿器系
thigh or hip :大腿部、股関節部
lower leg or knee :下腿部、膝部
foot or ankle :足部、足関節部
no appropriate value in this field :この枠に妥当な項目はなし

Subdiscipline(専門分野):プルダウンから選択

こちらもなければ空欄で構いません。
cardiothoracics :心胸部
continence & womens health :失禁と婦人保健
ergonomics and occupational health :人間工学と産業保健
gerontology :老年学
musculoskeletal :筋骨格系
neurology :神経学
oncology:腫瘍学
orthopaedics :整形外科学
paediatrics :小児科学
sports :スポーツ
no appropriate value in this field :この枠に妥当な項目はなし

検索結果

ここでは、
Abstract and title:chronic instability
Problems:pain
Body Part:foot or ankle
Subdiscipline:sports
で検索した結果が表示されています。
タイトル、方法、PEDro score、Select Recordの順で表示されています。
1番上の論文のタイトルをクリックすると、論文の要旨を見ることができます。
PubMedと少し違うところは、タイトル、著者名、雑誌名とアブストラクトの間にPEDro scaleの採点結果が記載されているところです。
この項目を見ることで、どのようなデザインの研究かがわかるようになっています。
論文の詳細が知りたければ、ページ下部にPubMedなどのリンクも貼られていますので、こちらから本文に飛ぶ事ができます。

Conclusion

今回は理学療法のエビデンス検索ツールPEDroを紹介しましたPEDroは約2週間ごとに更新されるため最新の情報を素早く手に入れることが出来ます。英語というとっつきにくさはあるものの、理学療法のエビデンス検索用に作られたツールは使いこなせば求めているエビデンスにたどり着きやすくなっています。まさに研究と臨床の両方に有用な検索ツールだと思います。
この記事があなたの研究や臨床に役立てば嬉しく思います。
最新のエビデンスに素早くアクセス→研究も臨床も一歩リード

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